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アイグッズがアクリルパーテーションを開発することになった経緯は？

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、さまざまな企業がコロナ対策グッズを取り扱うようになりました。特にマスク製造にはアパレルをはじめ多様な業種の参入が目立ちます。一方で、職場での飛沫拡散防止に役立つパーテーションの製造には、新規の参入が少ない状況が続いていました。高度なノウハウが必要とされ、参入できる企業は限られていたのです。
アイグッズはこれまでにもアクリル製グッズの製作を行ってきたノウハウがありました。加えて、原材料を十分に仕入れ、アクリル加工の高度な技術を持つ生産工場とスムーズな連携をとることができます。世の中のパーテーション需要に応えるべきは弊社と感じ、アクリル製パーテーションの開発に踏み切りました。

なぜ61種類もの多様なサイズを展開しているのでしょうか。

2020年7月に販売を開始した時点では、サイズ展開は10種類程度でした。幅も当初は60cm、80cm、100cm、120cmの4種類のみ。しかし実際の職場ではさまざまなサイズのデスクが使われています。お客さまからは販売開始後すぐに、サイズに関する問い合わせが多く寄せられるようになりました。それは、「他のサイズラインアップを取り扱っていないでしょうか」「特注で製作することは可能でしょうか」というお声でした。しかし、特注となると、既製サイズと比べて、時間やコストがかかることを避けられません。それでは、コロナ禍の“すぐに欲しい”というお客様のニーズに応えることができないと思いました。社内での検討を早急に進めてサイズ展開を増やしていくことに決めました。

アクリルパーテーションの高さについても、一般的には60cmの製品が多いのですが、アイグッズでは80cmの製品も展開しています。

これもお客さまから「高さ60cmでは心もとない」という声が寄せられたことがきっかけでした。飛沫防止対策としては「仕切りの高さが床から高さ140cm、頭が隠れる高さが望ましい」と言われています。そこで80cmの製品をラインアップに加えました。このラインアップのスピーディーな追加が実現できた背景にも、アイグッズの培ってきた海外生産事業のノウハウがあったと感じます。弊社は、海外工場の現場に、専門の品質管理担当者を置いており、細かな仕様変更にもスピーディーに対応できる仕組みが整えられています。コロナ対応が長期化、また、対面機会も増えてきた状況下で、パーテーションへの投資も増加傾向にあり、現在のご注文数では60cmよりも80cmのほうが多くなっています。

アクリルの「厚み」についても、他社製品に多い3mm厚ではなく5mm厚の素材を採用しています

アクリル素材のメリットは透明度ですが、一方でデメリットとしては横からの衝撃に弱く、割れやすいことが挙げられます。そこで開発の初期段階から、3mm厚よりも耐久性が高く割れにくい5mm厚を導入することを決めていました。実際に使用していただく職場においても、厚みが増すほうが心理的な安心感につながると考えました。

厚みが増すことでアクリルの強みである透明度に悪影響が出る可能性もあったかと思いますが、この課題はどのようにしてクリアしたのでしょうか。

開発チームとしても「3mm厚と比べて5mm厚は見えづらいのではないか」という懸念を感じていました。そこで試作段階でのクオリティチェックを頻繁に行いました。サンプルによる耐久度や透明度の確認を念入りに進めて、「3mm厚と同様の透明度を確保できる」という確信が持てた段階で量産を開始しました。

豊富なサイズ展開や素材の工夫にも関わらず、低価格で提供できている秘訣はどこにあるのでしょうか。

アイグッズの大きな特徴は、お客さまと生産工場との間に弊社以外を挟んでいないことです。サイズ展開を増やしたり素材に厚みを持たせたりすれば当然ながら開発コストは上がってしまいます。しかし、アイグッズでは無駄な中間コストを抑え、大量生産によって海外工場からの輸送コストを削減することで、他社製品と同等の価格帯で展開できていると自負しています。

海外生産ということで、品質に不安を覚える方も少なくないかもしれません。

現地スタッフと弊社のスタッフは、新商品開発の段階で、電話だけでなく、オンラインの打ち合わせも必ず実施しています。弊社と工場との、品質への認識に差が生まれないように密にコミュニケーションをとっているのです。そのような現地スタッフが、海外工場において、細かな仕様に至るまで直接確認して指示を出しています。加えて、現地での検品はもちろん、国内への輸送後に、製品に割れがないかなどの外観検品も行っています。また、弊社は、無料お試しサンプルを受け付けていることも、お客様への安心材料の一つだと自負しています。もし品質が心配という方がいらっしゃいましたら、現物品で品質を確認してから、発注をすることができます。

多くの企業でコロナ対策が急務となるなか、「いち早く納品してほしい」という声も多いのでは。在庫確保や納期短縮に向けてはどのような工夫を行っていますか？

パーテーションは受注生産で対応している企業も少なくありません。しかしアイグッズでは、既製サイズの在庫4万台規模で国内にストックしています。基本的に、ご発注をいただければすぐに出荷可能で、地域や天候にもよりますが、最短で翌日にお届けできる体制を整えています。

今後の展開や展望についても教えてください。

アイグッズのアクリルパーテーションは、オフィス内はもちろん、工場やアパレル店舗チェーン、幼稚園、小学校、スポーツ協会、展示会場などさまざまな場所で活用されています。街中で見かけるパーテーション、実は弊社の商品かもしれません…。 直近では「より省スペース化を」というご要望もいただいており、パーテーションの脚の部分での改良も進めているところです。今後も研究開発に注力して、多様なニーズに対応できる製品を展開していきたいと考えています。