2020/11/23
オフィスの除菌|掃除のプロが提唱、今すぐ実践できる5つのポイント
新型コロナウイルスの感染拡大以降、社内での感染拡大防止のため、コピー機やパソコン、デスクなどのアルコール消毒を定期的に行う会社が増えているようです。
社内の共有部や個人スペースにあるさまざまなオフィス用品を、より効果的に清掃・除菌するためにはどのような方法があるのでしょうか。今回は、オフィスの清掃サービスを行う株式会社ミレアージュ監修のもと、オフィス用品の清掃や除菌の方法、おすすめのグッズについてご紹介します。
目次
効果的な除菌のためには、まず「日常的に掃除をする」こと
新型コロナウイルス感染予防策として、アルコールを使った消毒や除菌が、企業や個人でも一般的になっています。
また予防に限らず、クラスターが発生した現場などで、防護服を着た作業員が室内の消毒を行っている様子をテレビで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。日常的な予防策としても、感染発覚時の感染被害を最小限に抑えるためにも、こまめな消毒や除菌はとても大切です。
そんな消毒や除菌をより効果的に行うために必要なのが、アルコール除菌に限らない、「オフィスの定期的な清掃」です。
普段から掃除をせずにいると、日ごとにホコリが蓄積して、除菌を行いたいモノの表面を覆ってしまいます。その状態でアルコールを使い表面を拭き取ってもウイルスはなかなか取り除けません。一度のアルコール除菌をより効果的に行うため、毎日の清掃はウイルス対策としても有効。効率よく消毒や除菌を行うためにも、こまめな掃除を心がけましょう。
“手が触れる部分を必ず拭く”という意識付けを行う
会社内で担当を割り振って掃除や除菌を行う場合、隅々まで掃除をする人もいれば、見えるところだけを掃除する人もいるなど、掃除をする人によって取り組みの姿勢にどうしても差ができてしまいます。そういった「担当者による差」をなくすため、新型コロナウイルスの感染対策を目的とした清掃や除菌をする場合は、”業務中に手が触れているところは必ず拭く”など、明確な決まりごとを設けるのが効果的です。
さらに、業務中に触れる部分をリストアップし、オフィス内で共有することでより意識的に掃除、除菌に取り組むことができます。たとえば、「朝は電気のスイッチとパソコンのキーボードを重点的に掃除しましょう」など、具体的な場所を細かく書き出し、場所を限定して実践することで、掃除や除菌が苦手な方でも、だんだんと習慣化することができます。
「午前中の掃除では共有部(電気のスイッチ、ドアノブ、コピー機、電話機、トイレの便座など)を中心に、夕方の掃除では個人スペース(パソコンのキーボード、机の引き出し、ロッカーの取手など)を重点的に」などのやり方を設けることで、それぞれの場所をより念入りに消毒することができるはずです。
ちなみに、オフィスの中でも掃除を忘れがちなのが、卓上の電話機です。
電話機は手が触れるだけでなく、話す際に飛沫が付着するため、ウイルスの繁殖率が高いという調査データもあります。忘れずにしっかりと拭きましょう。使用した人が拭くことをルール化してもよいかもしれません。
これから社内で取り組みをスタートするのであれば、「明日から除菌をします。掃除をしてください」と事実だけを伝えるのではなく、「社内の感染拡大防止策として、なぜ掃除をするのか。どういう部分を掃除するとより効果的なのか」という目的までをしっかりと共有し、共通の意識を持てるよう働きかけるとよいでしょう。
掃除が習慣になっていない場合は、まず朝の業務が始まる前に窓を開けて換気をすることから始めるのがおすすめです。
換気は、新型コロナウイルスの感染予防対策にももちろん有効ですが、部屋の空気を入れ替えることが掃除を意識づける行動への第一歩につながります。窓を開けることは、掃除が苦手な人でもすぐに実行できるので、ぜひ試してみてください。
使い捨てシートやペーパーで掃除の「面倒くさい」を解消!
掃除や除菌を習慣化するためには、いかにハードルを下げられるかが継続を左右します。そのため、「面倒くさい」と感じる要素を極力減らしていくことが大切です。
また、コロナ禍での清掃や除菌は、「きれいにする」ことよりも「ウイルスを拡散させない」ことが一番の目的。それを徹底させるため、陽性判定者が出た現場では、感染防止のためにシートやペーパーを往復させずにひと拭きで捨てるなど、清掃業者も徹底した対策を行っています。これらのことを踏まえると、「手軽に使えて、処分しやすい道具」を利用することが、ウイルス対策には適しています。
そこで使い勝手がいいのが、100円ショップ等でも購入できる使い捨ての「アルコール入りの除菌シート」です。
除菌シートのメリットは、すでにアルコールが含まれているので、スプレーで吹き付ける必要がなく、手軽であること。共有部や個人の机に置いておけば、「汚れが気になるときや除菌をしようと思いついたときに、取り出してすぐに拭く」ことができます。使い捨てのため、多少コストはかかりますが、除菌の観点から見ると安全性は高まります。
筒型のケースに入ったロールタイプのウエットティッシュでも問題はありませんが、ロールタイプのものは生地が薄く拭いている最中にくるくると丸まってしまうことが多いため、生地がしっかりとしたシートタイプがおすすめ。
アルコール消毒を習慣付け、それを継続させるためには「気になったときに、拭く」までのハードルを可能な限り下げ、「面倒に感じずにすぐにできる」状況を整えておくのがやはり有効なのです。
繰り返し使えるダスター(ゴミや汚れを取る布)は、コスト面でのメリットはありますが、半乾きの状態だと新型コロナウイルス以外の菌が繁殖する場合もあるため、洗剤で洗いしっかりと乾燥させる必要があります。
さらに、「誰が洗濯して干すのか」「干したものはどこにしまうのか」など、新たな決め事が必要になることも。ちょっとした手間の積み重ねが、掃除のハードルを上げる可能性もあるので工夫が必要です。
コスト面を重視する場合は、ペーパータオルとアルコールスプレーを使う方法もあります。この場合も一度拭いたら捨てますが、アルコール入り除菌シートよりこちらのほうが1枚の単価はリーズナブルです。しかし除菌シートよりは、使用までに一手間がかかってしまいますので、会社の方針や予算に合わせて、ベストなアイテムを選びましょう。
電子機器の清掃・消毒は吹き付けるアルコールの量に要注意!
アルコール入り除菌シートを使う場合は、取り出してそのまま物を拭いても問題ありません。しかし、ダスターやペーパーにアルコールスプレーを使う吹き付ける場合は、直接モノにアルコールを吹き付けてからダスターで拭き取るのではなく、必ず「ダスターにアルコールを吹き付けてから拭く」ようにしましょう。どちらも効果は変わりませんが、電子機器は直接アルコールを吹き付けると故障の原因につながります。
さらに、電子機器は水分に弱いので、ダスターに吹き付けるアルコールの量には注意が必要です。パソコンのキーボードや複合機のパネルなど、指紋や皮脂がつく場所は、力を入れて拭くため、水分量が多いと拭いている最中ににじみ出てしまう可能性があります。
そういった場所を拭く場合は、ダスターの表面が少し湿っていると感じるくらいの水分量にアルコールを調整するようにしましょう。アルコールで拭いたあとに、浮き出た水分や油分をティッシュや濡れていないダスターで空拭きすれば完了です。
日々の掃除を意識的に行って、社内の感染拡大をしっかりと予防しよう
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには、日々の積み重ねが大切です。清掃を徹底し、アルコール消毒の頻度を上げることは、感染リスクの低下もつながります。清掃や除菌を「面倒くさいもの」にしないよう、今回の記事を参考に会社に合わせて、除菌グッズや方法を探してみてください。
掃除のプロが教える「オフィスの消毒」の5つのポイント
- 消毒や除菌の効果を上げるために、まずは掃除の習慣化を目指す
- “業務中に手が触れる部分を必ず拭く”など、明確なルールを作り共有する
- 掃除をする場所を細かくリストアップして意識づける
- 使い捨てができるシートやペーパーを常備し、掃除のハードルを下げる
- 電子機器を拭く場合は、吹き付けるアルコール量を最小限に
監修:株式会社ミレアージュ 代表取締役社長 吉武宗大さん