2021/05/25
不織布マスクvs布マスク!状況に応じた使い分けでストレスを減らそう!
新型コロナウイルス感染症の影響により、日常的にマスクを付けるようになりました。しかし、マスクで肌荒れが起こる人にとって、マスク着用は悩みのタネです。
特に不織布マスクは、布マスクやガーゼマスクよりも接触性皮膚炎などによる肌荒れのリスクがあるといわれています。
とはいえ「布マスクでは感染が心配」と、不安に思うこともあるでしょう。実は、マスクの素材の違いをしっかりと理解すれば、感染リスクも意識しつつ、快適に過ごすことも可能です。
今回は、不織布・布マスクをうまく使い分けて、感染対策に取り組む方法を説明します。
目次
不織布マスクと布マスクの違い
不織布マスクと布マスクは素材の違いにより、それぞれ特性が異なります。どちらがどのような場面に適しているのかを解説する前に、まずは不織布マスクと布マスクの違いについて把握しておきましょう。
素材
不織布マスクは、おもに化学繊維を材料にした使い捨てのマスクで、なかにはコットンなどの天然繊維を使用したものも市販されています。布マスクよりも繊維の目が細かく、不ぞろいになっていることが特徴です。
一方の布マスクは、ガーゼなどの布を素材にして作られた、繰り返し使えるマスクです。布の繊維は不織布よりも粗いため、一般的に不織布マスクよりも感染防止効果が低いとされています。
通気性の良さ
不織布マスクは医療用マスク(N95マスク)と比べて通気性が良く、呼吸も比較的しやすいマスクです。ただし、布マスクよりも目が細かいため、布マスクと比べると通気性は劣ります。
布マスクは不織布マスクよりも目が粗い分、通気性が良く、呼吸が苦しくなりにくい点で優れています。
肌へのやさしさ
不織布マスクはコットンなどを含むものもありますが、おもに化学繊維を材料にしているため、肌荒れのリスクがあります。布と比べると素材が硬く、皮膚とこすれて肌に刺激を与えることが原因です。
また、布マスクよりも通気性が劣ることからマスク内が蒸れやすく、かゆみの原因になることもあります。
一方の布マスクは、肌に刺激を与えにくいガーゼなどの布で作られています。そのため、皮膚炎の原因になりにくく、肌にやさしいことが特徴です。
フィット感
不織布マスクには鼻の部分にワイヤーが入っており、微調整が可能です。マスクを顔にフィットさせることで、感染リスクを低減できます。
しかし、ノーズワイヤーの調整がうまくできない、あるいはサイズが合っていないなどの理由で、マスクが顔から浮いたまま使用している人も見られます。
マスクの周囲に手をかざし、大きく息を吐いたときに空気が漏れているなら、フィットしていない証拠です。顔に合ったサイズを選び、鼻のワイヤーをしっかり折って、顔にフィットさせましょう。
一方、不織布よりも軟らかい素材の布マスクは、顔にフィットしやすいことがメリットです。顔に合ったサイズを選べば、調節の必要はほとんどなないでしょう。
どちらの素材も顔とマスクの間に隙間を作らないことが感染リスク軽減のために大切となります。小さめ・女性用マスクなど、自分の顔に合ったサイズを選ぶ、または耳紐でサイズを調節するなどがポイントです。
再利用の可否
不織布マスクは使い捨てが基本となり、再利用はできません。
そもそも、サージカルマスク(医療用の不織布マスク)が使用される医療現場では、衛生面を考慮して外したマスクは捨てるため、使い捨てが前提となっています。それに対し、布マスクは洗って繰り返し使用できます。
ただし、洗うことで布が劣化するため、長期間同じものを使用し続けるのはおすすめできません。複数回洗うことで生地が毛羽立ってくることもあります。劣化したマスクを使用し続けると肌の痒みや荒れのリスクがあります。布マスクも、定期的に交換するようにしましょう。
咳やくしゃみで生じる飛沫の拡散を抑える効果
マスクには、咳やくしゃみで生じる飛沫を抑える効果があります。飛沫の拡散を抑えることで、もし自分がウイルスに感染していたとしても、周囲の人が感染する確率を下げられるでしょう。
不織布マスクはマスクなしと比べて、咳やくしゃみによる飛沫の拡散を約80%抑えるとの研究結果が報告されています。一方、布マスクの飛沫拡散抑制は素材によって差はあるものの、おおむね不織布マスクと変わりません。
空中に浮遊している飛沫の吸い込みを抑える効果
マスクを選ぶときは飛沫拡散だけでなく、自分自身の飛沫吸入を抑制する効果もチェックしなくてはなりません。不織布マスクはマスクなしと比べて、吸い込む飛沫量を1/3以上減少させられます。
一方、布マスクは50%以上の飛沫を吸い込んでしまうと報告されています。ただし、吸い込み量も、飛沫拡散と同様に布マスクの素材によって効果はさまざまです。
不織布マスクと布マスクはどう使い分ける?
不織布マスクと布マスクにはそれぞれに特性があり、適した使用シーンも異なります。
感染の予防には不織布マスクを推奨しますが、肌荒れや呼吸の苦しさを感じる場合は、布マスクも上手に使い分ける必要があるでしょう。
ここでは不織布・布マスク、それぞれが適しているシーン、そして選び方のポイントを紹介します。
不織布マスクが適しているシーン
密閉・密集・密接の3密にあたる場面では、不織布マスクの使用を推奨します。
特に換気が十分でない場所では布マスクよりも、飛沫の拡散・吸入の防止効果の比較的高い不織布マスクが適しています。該当するのは、電車や映画館といった窓がない・開けられない密閉空間です。
また、オフィス内や学校、商業施設などの不特定多数の人が集まる場所でも、不織布マスクが活躍します。会議室や飲食店といった至近距離で会話するシーンでも、飛沫の予防に適しています。
布マスクが適しているシーン
布マスクは、不織布よりも飛沫の吸入防止効果は低いですが、飛沫の拡散に対する効果はほとんど変わりません。そのため、周囲の人を感染から守りたいケースでの使用が適しています。
例えば、家族に会うときは布マスクを選択するとよいでしょう。ただし、接触する人に感染の症状がない場合に限られます。
また、屋外では換気しにくい屋内よりも、飛沫を吸い込むリスクが下がるため、布マスクを選ぶのも一つの方法です。
ただし、不織布・布どちらを選択したとしても、マスクの使用方法が誤っていれば、着用の意味が薄れてしまいます。
顔にフィットするものを選び、外すときはひもの部分を持ちましょう。着脱時・着用中に、ウイルスが付着しているリスクの高い、口の部分に触れてはいけません。
息苦しさや肌へのやさしさも意識したい
着用時のストレスも、マスクの選び方で重要なポイントです。
不織布マスクは材料となる化学繊維の種類がメーカーによって違うため、肌荒れしやすい人は、メーカーを変えてみるとよいでしょう。コットンなどの天然繊維を多く使っている不織布マスクがおすすめです。
息苦しさを改善したいなら、プリーツタイプではなく立体タイプを選ぶとよいでしょう。立体タイプはプリーツタイプよりも口元のスペースが広いため、呼吸がしやすいメリットがあります。
布マスクの縫い目の位置も、マスク選びで注意したいポイントです。縫い目の糸が肌に触れることで、肌荒れを起こす可能性も考えられます。
縫い目が原因で肌荒れを起こしているなら、縫い目の位置が異なるマスクを選ぶのも一つの方法です。布マスクでも息苦しさを感じるときは、平面タイプではなく、立体タイプを選ぶとよいでしょう。
アイグッズのマスクを3つ紹介!
選び方のポイントを確認したら、次は実際にマスクを選んでみましょう。ここでは、アイグッズの「不織布マスク」「快適マスク」「調整マスク」の3種類を紹介します。
不織布マスク
アイグッズの「不織布マスク」は、全国マスク工業会の認定マスクです。
国内の検査機関による遮断率試験で99%の証明書取得済みのマスクです。立体構造、ノーズワイヤーにより、顔のラインにぴったりフィット。耳紐の紐とれについては全数検品済みの安心品質の製品です。
快適マスク
「快適マスク」は、吸水速乾性の高い点が魅力のマスクです。
吸水性に優れた素材を使っており、じめじめとした梅雨におすすめの製品です。ストレッチ素材のため、フェイスラインにフィットしやすく、ずれにくいこともメリットです。
使い捨ての不織布マスクとは異なり、洗って複数回使用でき、経済的にも優れています。
調整マスク
自分に合ったサイズのマスクがなかなか見つからない人には、「調整マスク」がおすすめです。
アイグッズの「調整マスク」は、耳元にサイズ調整が可能なアジャスターが付いています。アジャスターを引っ張るだけで、マスクを顔にフィットさせることが可能です。
オフィスで購入する際は、社員に合わせた複数のサイズを購入しなくてはなりませんが、「調整マスク」ならその必要はありません。
1種類用意すれば、アジャスターを使って社員それぞれのサイズに合わせられます。
まとめ
不織布マスクと布マスクを状況に応じて、うまく使い分ければ、肌荒れや呼吸のしにくさを抑えられます。
不特定多数が集まる場所や換気できない場所など、自分の感染リスクが高い場所では、不織布マスクが適しているでしょう。不織布マスクは布よりも、飛沫の吸入リスクが低いとされているからです。
一方、屋外や人と話さない場所では布マスクも有効です。布マスクは不織布よりも飛沫の吸入リスクは高いとされていますが、飛沫の拡散防止には有効なため、感染の症状がない人や家族と会うときに適しています。
マスクによる肌荒れや息苦しさを感じるときは、状況に応じて布マスクを使ってみるとよいでしょう。
文・監修:大木 千夏(臨床検査技師)
2016年臨床検査技師免許取得。都市部にある400床の総合病院にて、細菌検査を担当し、ICT(感染対策チーム)として活動。2017年に、二級臨床検査士(微生物)の認定を取得した。大学時代の専攻は、ウイルス・感染症学。
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