2021/02/09
【テレワークでのヘルスケア】身体と精神それぞれのストレスケア方法とは
新型コロナウイルスの影響でテレワークが普及し、在宅勤務に従事する人が増えています。初めてテレワークを経験する場合は、これまで行なってきた働き方から環境を大きく変える必要があるため、心身ともにストレスを感じる人が少なくありません。
この記事では、テレワーク(在宅勤務)で生じやすいストレスの種類と、それに対するケアの方法を紹介します。
目次
【ヘルスケアの重要性】テレワークによりさまざまなストレスが生じている
新型コロナウイルスの感染拡大はいまだ収束の兆しを見せず、テレワークが長期化しています。それにより、オフィス出社時にはなかった、新たなストレスが生じやすくなっています。
ストレスの種類を大きく2つに分けると、1つは外出機会の減少による運動不足や生活リズムの乱れなどからくる「身体的ストレス」です。もう1つは、いつまでこの状況が続くのかわからないことへの不安、コミュニケーション不足による業務の停滞、孤独感などの「精神的ストレス」です。特に、新たにテレワークを始めた方は、多くのストレスを感じることが多いでしょう。
テレワークではこれまでと異なる環境で働くため、心身の健康状態の維持が難しくなりがちです。心身の状態が悪化すると仕事に集中できなくなり、従業員のモチベーションや生産性の低下につながりかねません。そうした背景から、テレワークにおける身体と精神のケアの重要性が高まっているのです。
まずは、従業員一人ひとりが自分の健康を意識して努力することが第一ですが、企業側にも従業員の健康管理をサポートする姿勢が求められています。従業員が心身ともに健康な状態であれば、モチベーションや生産性の向上にもつながるため、重要な課題といえるでしょう。
テレワークにおける肉体的ストレスの種類とヘルスケアの方法
テレワークで生じやすい身体的ストレスの種類はさまざまです。ここでは、ケアする方法と併せて解説していきます。
運動不足
在宅勤務では通勤の必要がなくなり、日常的な運動量が減少します。運動不足が続くと、筋力や心肺機能が低下して疲れやすくなってしまいます。自律神経系の働きも抑制され、ホルモンバランスが乱れることで気分も落ち込みやすくなってしまうのです。
企業にできる対策は、運動不足がもたらす健康上のリスクや、室内でできる簡単なストレッチ方法などの情報を定期的に発信し、従業員の健康意識を高めることです。
また、従業員がリフレッシュの時間を確保できるよう、休憩時間を取るように推奨するなど、勤務時間を柔軟に調整する仕組みを採用するとよいでしょう。
生活リズムの乱れ
テレワークでは、毎朝決まった時間に出社する必要がないため、どうしても夜更かしや寝坊が増え、生活リズムが乱れやすくなります。周囲に上司や同僚の目がない分、集中力を欠いてだらだらと仕事をしたり、反対に休憩も挟まず働き過ぎてしまったりと、時間に対する意識も希薄になりがちです。
企業は従業員に対して、労働基準法に基づく労働時間や休憩時間のルールを再度伝えていきましょう。残業時間の上限を定めて超過勤務を防止するなど、従業員の時間意識を高める必要があります。
仕事とプライベートのメリハリがつかない
職場と生活空間の区別がなくなると、オンオフの切り替えも難しくなります。仕事の時間も進め方も自分で管理しなければならず、思うように仕事がはかどらない、私生活で心身が休まらないといった課題を抱えているケースもあるようです。
そのため、テレワーク中でも仕事とプライベートのメリハリを付けて、働いてもらうことが大切です。業務の進捗状況をこまめに報告してもらう、始業・終業の時刻の意識を高める、深夜や休日の労働を原則禁止するといった方法が考えられます。
また、個人でもできる工夫を伝えるのもよいでしょう。例えば、作業場所を決める、気持ちを切り替えるためにある程度服装を整える、終業後はパソコンの電源を切る、終業後は仕事で使用するものを片付ける、といったことが挙げられます。
テレワークにおける精神的ストレスの種類とメンタルヘルスケアの方法
次に、テレワークにおける精神的なストレスの種類とその対処法を紹介します。
コミュニケーション不足
テレワークでは、チャットやメールなどを使い、文字によるやり取りが中心になります。そういった作業は常に個人で完結させなければならないため、手間や労力が物理的に増えていきます。
「このツールを使うと○○が一括管理できる」「この資料でデータが参照できる」といったことを提示し、効率化する方法を考えてみましょう。
Web会議では、気軽な雑談や相談ができないと感じる方も多く、コミュニケーションが不足しがちです。それにより、孤独感や疎外感を抱きやすく、モチベーションも低下しやすくなります。
コミュニケーションの減少を補うには、上司が積極的にチャットや社内SNSなどでメッセージを発信し、相談しやすい雰囲気づくりに努めることが大切です。定期的に従業員が現状を報告する場を設けるか、仕事以外の話題を交わせる機会を作るのもよいでしょう。
正当な評価を得られるかという疑念
テレワークでは従業員の働きぶりが見えないため、人事評価が難しい側面があります。「自分の努力が正しく評価されない」と従業員が不満を感じることのないよう、事前に評価基準について説明し、従業員の理解を得ることが大切です。
業務プロセスをどのように評価するかが課題になりますので、従業員の仕事ぶりを上司からフィードバックするのも一つの案です。事前にテレワーク中の業務目標を設定しておき、達成できたことを評価したり、改善すべき点を伝えたりしましょう。
こまめにフィードバッグを行なうことで、従業員側も納得のいく人事評価につながります。
今後の見通しが立たないことへの不安
コロナ禍やテレワークがいつまで続くかわからないことへの不安感も、従業員の精神的ストレスを助長する要因の一つです。精神的ストレスが蓄積していくと、気分の落ち込みやうつ症状につながる恐れもあります。
そうした事態を回避するためには、上司がいち早く部下の異変に気付いて対処することが重要です。今悩んでいることや必要としていることへのサポートなど、普段から意識的に声をかけ、部下が悩みを打ち明けやすい空気感を醸成しておくとよいでしょう。
また、新しい業務の予定や業績、今後の方針などを風通し良く伝えることで、従業員個人の目標や課題も見えてくるかもしれません。
まとめ
心身を健康に保つことは、生産性の向上を図るうえでも大きな鍵となります。
テレワーク中の従業員は、オフィス出社とはまた別のストレスを抱えることになるため、企業が働きかけて従業員の心身のヘルスケアをサポートすることが大切です。
勤怠管理の方法を工夫したり、普段の情報発信や声がけを積極的に行なったりと、テレワーク中であっても従業員がパフォーマンスを発揮できる環境をキープしましょう。