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ワクチン接種はいつまでかかる?その日のために会社が整えるべき環境

ワクチン接種はいつまでかかる?その日のために会社が整えるべき環境

2021年2月、日本でもようやく新型コロナウイルスに対するワクチン接種が始まりました。希望者全員がワクチン接種を完了するまでには相当な時間がかかると思われますが、それでもパンデミック収束に向けて大きな一歩を踏み出したといえるでしょう。

一方、企業では従業員のワクチン接種に向けて新たな仕組みづくりが必要となります。感染の再拡大を防ぐためにも、ワクチンを接種しやすい環境づくりは重要な課題の一つです。

そこで今回は、日本でのワクチン接種の現状から感染拡大抑制に要する期間を推測するとともに、ワクチン接種に備えて企業がなすべき対応について解説します。

ワクチンが確保できてもマンパワーが足りないという現実

日本政府は、ファイザー社・モデルナ社・アストラゼネカ社から計3億1,400万回分(1億5,700万人分)のワクチン供給について合意を得ています。

しかし、ワクチン確保と接種完了はまったく別の問題です。遅々として進まない日本のワクチン接種の現状を、数字をもとにみていきましょう。

日本におけるワクチン接種の現状

ワクチン接種が始まってから3ヵ月近くたった5月16日時点において、全国の累計接種回数は約600万回で、予定接種回数である3億1,400万回の2%にも達していません。

また、一日あたりの接種回数は最大でも35万回強にとどまっているのが現状です(5月16日現在)。今後、大規模接種会場の開設にともない一日の接種可能回数は増大すると予測されますが、今のペースではワクチン接種完了までに2年以上かかってしまいます。

ワクチン接種に必要な医師は一日1万人以上

政府は当初、高齢者のワクチン接種を12週間で完了させるとしていました。しかし、このスケジュールを実現するためには、一日あたり約1,100万人の医師と約2,800万人の看護師が必要といわれています。

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の実施区域が拡大し、医療崩壊が現実味を帯びているなかで、これだけのマンパワーを確保するのは実質困難でしょう。

もちろん政府としても、ワクチン接種のために産業医のほか歯科医師にも協力を呼びかけ、薬剤師の活用も検討しています。しかしながら、高齢者のワクチン接種開始から1ヵ月以上過ぎても1回目の接種が終了した人は約3%、2回目の接種が終了した人は約0.2%にすぎません。

そのため、医師や看護師などの人員が確保できたとしても、残りの約2ヵ月でワクチン接種を完了させるのは難しいと考えられます。

ワクチン接種の完了時期

ワクチン接種が進まないのは、自治体に配布されるワクチン数が少ないことも原因の一つです。

もっとも、政府が発表したスケジュールによると、6月上旬にはワクチン1瓶で6回の接種が可能となる注射器などを配布し、6月末には約3,600万人の高齢者全員に行き渡るワクチンの配布を完了するとしています。各自治体にワクチンが配布されれば、一日あたりのワクチン接種回数は増え、接種完了者も少しずつ増えてくるでしょう。

しかし、厚生労働省の発表によると、15%近い自治体が7月末までに高齢者への接種は完了できないとしています。また、民間の研究機関が実施した調査によると、23%の自治体が「2021年12月末までに16歳以上の住民全員に対するワクチン接種を完了することはできない」と考えているようです。

このような現状を踏まえると、日本においてワクチン接種が完了するのは早くても2022年早々、新型コロナウイルス感染症の流行状況によってはさらに遅くなると思われます。

ワクチン接種から感染拡大抑制までにかかる期間

感染拡大の抑制に、ワクチンが大きな役割を果たすのは間違いありません。しかし、ワクチンを接種しても感染抑制効果が表れるまでには時間がかかります。実際にどれくらいの期間が必要なのか、ワクチン接種率が高いイスラエルの状況から日本の今後を推察してみましょう。

イスラエルでは3週間で患者数の伸びが鈍化

イスラエルでは、2020年12月20日から全国的な接種プログラムがスタートしました。使用されたワクチンは、ファイザー社製とビオンテック社製です。

そして、ワクチン接種開始から3週間後、新規感染者と入院者数の伸び率が低下し始めました。2021年4月18日には、屋外でのマスク着用規制が解除されるに至ったのです。

イスラエルでは、接種開始から数週間で60歳以上の人の8割以上が1回目のワクチン接種を終え、2021年2月上旬には全人口の28%がワクチン接種を2回受けた、あるいは罹患して回復していました。

もっとも、「ワクチンによる感染拡大の抑制効果は、臨床試験結果ほどすぐれたものではなかった」と考えている研究者らもいるようです。しかし、イスラエルでの取り組みは多くの国から強い関心を集める結果となりました。

日本におけるワクチンの感染拡大抑制効果

それでは、イスラエルにおけるワクチンの感染拡大抑制効果を、高齢者の多い日本に当てはめてみましょう。

日本では、新型コロナウイルス感染症による死者の9割近くが70歳以上の高齢者です(2021年5月12日現在)。したがって、高齢者に対するワクチン接種が加速すれば、比較的早い時期に死亡者数は減少していくと考えられます。

具体的には、多くの自治体が高齢者への接種を完了するとしている7月末から数週間後、早ければそれ以前に死亡者数に対する抑制効果が表れるかもしれません。

一方、新規感染者に対する抑制効果は別に考える必要があります。年代別の感染状況をみると、感染者数が多いのは20~50代の若い世代、つまりワクチンの接種順位が最も低いグループです。

イスラエルの例から考えても、新規感染者数が減少し始めるのは若年層のワクチン接種開始から3週間後以降でしょう。ワクチン接種率が伸びなければ、さらなる時間が必要となります。

パンデミックを早期に収束させるためには、いずれ始まる若年層のワクチン接種に備え、国だけでなく企業も新たな体制を早急に整える必要があります。

ワクチン接種を会社での勤務再開の条件にすべきか

ワクチン接種は、従業員だけではなく企業にとっても大きなメリットをもたらすものです。クラスターの発生を防ぎ、多くの従業員や取引先を守るためにも、企業としてはワクチン接種を義務付けたいところでしょう。

しかし、企業が従業員に対してワクチン接種を義務付けることはできません。ここではその理由と、企業が従業員にワクチン接種を強要した場合の問題点について解説します。

ワクチン接種の義務化はできない

そもそも、ワクチン接種の判断は個人に任されているため、本人の意思に反してワクチン接種を強要することはできません。義務化とは謳わなくとも、勤務の条件としてワクチン接種を求めるのは適切とはいえないでしょう。

1回目の接種で重篤なアレルギー症状がみられた場合、2回目の接種は避けなければなりません。その他の副反応を理由に、接種をためらう人もいるでしょう。

ワクチンは感染拡大抑制に大いに役立つものですが、一方で絶対に安全とはいい切れないものです。生命に関わるリスクも否定できないため、従業員に対してワクチン接種を義務付けるのは不適切といわざるを得ません。

接種証明書も無意味

では、接種歴の有無を確認する“接種証明書”の提出を求めるのはどうなのでしょうか。

こちらも現時点では難しく、また意味がないものといえます。

接種証明書の提出を求めたところで、従業員がワクチン接種歴の有無を企業に伝える義務はないのです。当然ながら、証明書の提出をしないこと・ワクチン接種をしないことを理由とした差別的な扱いは許されません。

もとより、新型コロナウイルスワクチンの感染予防効果は100%ではないため、接種証明書の提出自体がナンセンスともいえます。

もっとも、企業が自社従業員のワクチン接種率を知るために、無記名のアンケートを実施するのは問題ありません。ただし、このような場合であっても、個人が特定できないように十分配慮すべきでしょう。

その他の問題点

新型コロナウイルスワクチンは新しいタイプのワクチンのため、既存のインフルエンザワクチンなどとは別の問題があります。

例えば、将来妊娠を希望する女性や現在妊娠中・授乳中の女性に対する影響です。理論上、新型コロナウイルスワクチンは安全なワクチンとされていますが、妊婦や授乳婦に対する影響はデータが十分ではありません。将来の妊娠への影響についても、さらなる研究が必要です。

従業員にワクチン接種を強く迫り、その結果副反応が発生すれば、企業側の責任が問われる可能性も否定できません。

以上のことから、従業員にワクチン接種を強要することは避けるべきでしょう。

会社が従業員のワクチン接種を推進するために必要なこと

企業は、従業員に対するワクチンの接種を義務化することはできません。しかし、ワクチンを打ちやすい環境を整えて接種率を上げることは可能でしょう。

ここからは、従業員のワクチン接種に備えて企業が整えるべき環境について解説します。

休暇や時間の確保

ワクチン接種の予約が、企業の休日に合わせて取れるとは限りません。たとえ休日や夜間に予約が取れる場合であっても、従業員に対して特定の日時にワクチン接種を求めるのは行き過ぎでしょう。

したがって、新型コロナウイルスワクチン接種に際しては、特別休暇の付与や有給休暇の積極的な活用が望ましいといえます。就業規則の変更が必要となる場合には、早めに対応して周知しておくべきです。

副反応発生時の対応

副反応が発生した場合の対応も、あらかじめ決めておくべきでしょう。体調不良で休む場合、欠勤あるいは有給休暇で対応するケースが一般的ですが、企業としてワクチン接種を奨励する場合は勤務免除などの対応も考慮すべきです。

なお、ワクチンを接種した後に健康被害が生じた場合は、国の予防接種健康被害救済制度の対象になる可能性があります。万が一に備えリーフレットなどを用意し、従業員に対して迅速な情報提供ができるようにしておきましょう。

ワクチンを接種しない従業員への配慮

ワクチン接種を希望する従業員全員が接種を完了するまでには、ある程度の期間が必要となります。また、接種を希望しない従業員・接種できない従業員も一定数いるはずです。

しかし、ワクチン接種歴の有無が従業員間の差別につながらないように注意しなければなりません。接種歴に関係なくすべての従業員に感染症対策の継続を呼びかけ、社内で感染者が発生しないようにしましょう。

従業員に対して、集団免疫に関する情報を提供することも有効です。一般的にワクチン接種で集団免疫を獲得するためには、当該集団の70%以上がワクチンを接種しなければならないとされています。具体的な数値を示すことで、従業員もワクチン接種に取り組みやすくなるでしょう。そのうえ、ワクチン接種を希望しない従業員を寛容に受け入れることも可能になります。

従業員がワクチン接種しやすい環境を整えることと、ワクチン接種をしない従業員を許容すること、今後の企業にはその両方が求められるでしょう。

まとめ

ワクチン接種は、パンデミック収束に欠かせない重要な手段です。日本では接種が始まったものの、希望者全員のワクチン接種が完了するまでには長い期間が必要と考えられます。

しかし、ワクチン接種が進んでいない今だからこそ、企業は従業員がワクチン接種に臨みやすい環境を整えるべきです。ワクチンへの対応が後手に回れば、顧客からの信用も失いかねません。従業員を守り企業の存続を図るために、ワクチン接種に備えた環境づくりを進めましょう。

※この記事の内容は2021年5月27日現在のものです。情報は日々更新されますので、最新の情報は、厚生労働省や内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策特設サイトなどをご確認ください。

文・監修:中西 真理(薬剤師)

1995年薬剤師免許取得。薬学修士。

医薬品卸にて一般の方や医療従事者向けの情報作成に従事。その後、調剤薬局に勤務。

現在は、フリーライターとしておもに病気や薬に関する記事を執筆。

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