2021/06/08
コロナ禍のお中元は自粛すべき?送り状の書き方・贈り方について解説!
上半期の区切りにお世話になった方に感謝の気持ちを込めて贈る習慣として定着した「お中元」。会社で毎年贈っているけれど、コロナ禍でお中元の対応をどうするべきなのか、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
コロナ禍でお中元は贈らない方がいい?と迷われる方もいらっしゃると思いますが、郵送で送るなどの配慮をすればお中元ギフトを贈ることは失礼にはあたりません。積極的に会うことが少なくなった今、感謝の気持ちを伝える方法の一つにもなります。
そこで、今回はコロナ禍でもビジネス関係者の方に感謝を伝えることができるお中元マナーをご紹介します。コロナ禍でも失礼にならない贈り方や、送り状の書き方などをまとめたのでぜひ参考にしてみてください。
目次
お中元はいつから準備する?
お中元を贈る時期は、地域によって差があります。お中元を渡す際は手渡し、郵送に関わらず、相手の住んでいる地域のお中元の時期はいつなのかを確認しておくことが大切です。
関東では7月上旬〜7月15日頃までに、関西では8月上旬〜8月15日頃までに贈るのが一般的です。ただ、最近はお中元の時期が全体的に早まってきており、6月下旬〜7月中旬頃までに届くようにすることが増えてきています。
したがって、お中元の準備をする時期は、6月中旬~下旬がベストタイミングでしょう。お中元を贈る際は、贈る地域のお中元の時期を確認してから贈るようにしましょう。
お中元の贈り先の選定方法について
会社で毎年決まった相手に贈っているかもしれませんが、コロナ禍では、贈り先の見直しが必要な場合もあります。ここでは誰にお中元を贈るべきか選定方法について紹介します。
贈り先の出社状況を確認しましょう
感染対策の一環として、リモートワークを推進する会社が増えています。お中元を贈る前に、贈り先の出社状況を必ず確認しましょう。一部の社員しか出社していない会社や、全員がリモートワークのため誰も出社していない会社もあります。
不在時にお中元が届いてしまうと、相手が再配達の手配をしたり、お中元を受け取るために出社したりと、思わぬ手間を取らせてしまう恐れがあります。
また、受取人が不在では、配送業者にも迷惑をかけてしまいます。確実に受け取ってもらえるよう、事前の確認をしっかりしましょう。もし贈るタイミングで受け取る人がいない場合は置き配などの対策をしましょう。
贈ってはいけない業種・業界もあります
お中元やお歳暮などの贈りものを受け付けていない業種もあります。
たとえば、公務員は法律上、利害関係者から贈りものを受け取ることができません。また、民間企業であっても、贈りものは一切受け取らないという方針の会社もあります。
知らずに贈ってしまうと相手を困惑させてしまいます。お中元を贈る前に確かめておきましょう。
今後もお付き合いがあるかという観点で送付先を決めましょう
お中元を贈る相手に迷った時は、「今後もお付き合いがあるか」という観点で判断してみてください。
お中元は、一度だけ贈って翌年以降は贈らないという対応が失礼にあたりるのでこれから先もお付き合いがあるかどうかを考えて贈りましょう。
コロナ禍でお中元を贈るときに気をつけたい4つのポイント
コロナ禍にお中元を贈る場合、気をつけておきたいポイントが4つあります。相手に失礼を与えないためにも、贈る前にしっかり理解しておきましょう。
【ポイント1】郵送をする
本来であれば、直接お渡しするのがお中元のマナーで、挨拶を兼ねて手渡しするのが一般的でしたが、近年ではお中元を郵送する人が増えてきています。
お中元が郵送で届いたからといって、マナー違反になることはほとんどないでしょう。感染予防対策として、各配送業者でもさまざまな工夫がなされています。
そのうちのひとつが「置き配」です。「置き配」はお相手の在宅・不在に関わらず、指定した場所に荷物を置いてくれるサービスで、対面での応対もサインも不要です。
企業でリモートが浸透していますが、配送時間内に受け取れない方にも便利なサービスです。最新の注意をはらい、コロナ禍のお中元はお祝いの気持ちをのせて郵送でお渡しすることを検討しましょう。
【ポイント2】送り状も送付しましょう
お中元を郵送する際に忘れてはならないのが、送り状です。手渡しとは異なり、郵送では感謝の気持ちを直接伝えることができません。代わりに、一言お礼を添えた送り状を出しましょう。
また、送り状には、お中元がこれから届くことを相手に知らせる意味もあります。そのため、送り状は商品よりも先に到着するよう品物より一週間ほど前に、遅くとも前日までに送り状をが届くようにしましょう。
送り状にもマナーがあるので、詳しい書き方は後ほどご説明します。
【ポイント3】郵送する場合はのし紙は内のしで掛けよう
のしには、包装紙の内側に掛ける「内のし」と、包装紙の外側から掛ける「外のし」があります。
内のしや外のしは地域によって異なる場合がありますが、一般的には内祝いなど控えめに贈る場合は内のしで、お祝いやご挨拶、お中元お歳暮などの贈り物の場合は外のしで贈ることが一般です。
しかし、郵送で送る場合は外のしで掛けると「のし」が破れたり汚れる恐れがあるので、内のしで用意することが好ましいです。内のしでも相手に失礼になったり、マナー違反になることはありません。
【ポイント4】お中元をいただいた際はお礼状も忘れずに
反対に、お中元が郵送で届いた場合も、直接お礼を伝えることができません。そのため、お中元を受け取ったら、お礼状を忘れずに送付しましょう。
無事に届いた旨と、感謝の気持ちをできるだけ早く伝えるのがマナーです。お礼状の書き方についても 後ほど紹介いたします。
コロナ時勢を意識した送り状(添え状)の書き方
お中元を郵送する際に欠かせない送り状ですが、コロナ禍ではどんなことに注意して書けばいいのでしょうか。
コロナ時勢であることを意識した送り状の書き方について紹介します。
コロナ禍における送り状のご挨拶は?
送り状の冒頭部分にあたる切り出しの挨拶は、これまで通り季節に合ったものを選びましょう。お中元シーズンである7月に使われる季節の挨拶としては、「盛夏の候」や「大暑の候」などが一般的です。
つづいて、コロナ禍を踏まえて相手の体調や状況を気遣う一言を添えましょう。コロナ禍であることを硬い言い方にする場合は、「未曾有の災禍」という表現がよく使われます。
書く時のポイント
挨拶文の後には、日頃お世話になっていることへの感謝の気持ちを綴り、お中元を贈った旨を記載します。到着日時や配送会社がわかっていれば、併せて伝えておきましょう。贈り先が、受け取る準備をしやすくなります。
また、本来お中元は手渡しするものです。郵送となってしまったことへのお詫びを添えておくと、丁寧な印象を与えられます。最後に相手の健康を気遣い、結びの挨拶で締めるのが一般的な送り状の流れです。
企業宛ての場合
企業宛ての場合は、送り状の文面からもマナーは伝わるので正しい形式で送るようにしましょう。また、贈り先がコロナ禍の影響を受けやすい業界であれば、特に大変な思いをしているはずです。
苦労に寄り添い、「未曾有の災禍の中、大変なご苦労をされていることと案じております」というように、相手の状況を気遣うことも大切です。
個人宛ての場合
一方、個人宛ての場合は、最低限のマナーが守れていれば問題ないとされます。あまりにもかしこまった文章だと、相手が距離を感じてしまいます。
そのうえで、「新型コロナウイルスによる影響で大変な状況ではございますが、お変わりなくお過ごしでしょうか」というように、相手の体調を案じましょう。
送り状の例文
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謹啓
盛暑の候、貴社におかれましても未曾有の災禍の中、大変なご苦労をされていることと案じております。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
つきましてはお中元のおしるしまでに、別便にて○○を○日到着予定でお送りいたしました。
本来であれば直接お伺いしてご挨拶申し上げるべきところ、誠に失礼とは存じますが、ご笑納いただければ幸いに存じます。
この状況が一日でも早く終息へ向かいますことと、皆様のご健康をお祈り申し上げます。
謹白
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コロナ時勢を意識したお礼状の書き方
お中元が届いたら、今度はお礼状を送りましょう。お礼状にも、コロナ時勢を意識した表現を入れられると好印象です。
お礼状を送付するタイミングは?
お礼状は、お中元が届いたら基本的にその日のうちか翌日に送付することが望ましいとされています。
即座に手紙を書くことが困難な場合は、当日か翌日の早い時間にまずお電話かメールでお礼を伝え、遅くとも3日~1週間以内にお礼状を送付するのがマナーです。
やむを得ずお礼状が遅れてしまうようであれば、手紙の文中に必ずお詫びの言葉を添えましょう。
書き方・書く内容について
お礼状も、基本的には送り状と同様の流れで書き進めます。挨拶文から始まり、まずは日頃の感謝を伝えます。お中元が届いた旨を報告し、お礼を述べましょう。
いただいた品物の感想を伝えるのも、喜ばれます。最後に、相手の健康を気遣い、結びの挨拶へとつなげます。
例文
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謹啓
炎暑の候、貴社におかれましても未曾有の災禍の中、大変なご苦労と拝察いたします。
そのような状況下でも平素より格段のお引き立てを賜り、深謝申し上げます。
さて、このたびはご丁重なお中元の品をお贈りいただき、誠にありがとうございます。
謹んで拝受し、ご厚志に改めて御礼申し上げます。
今後とも何卒よろしくご交誼のほどお願い申し上げます。
皆様のご健勝と貴社のますますのご発展を祈念しております。
略儀ながら書中にて御礼申し上げます。
謹白
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コロナ禍で人気のお中元は?
最後に、コロナ禍で人気のお中元をご紹介します。今年はステイホームが叫ばれる中、自宅用商品の需要が例年より増加傾向にあります。
コーヒーなどの日持ちする商品
新型コロナでテレワークが増え、自宅に居る時間が長くなった影響で長持ちするコーヒーが人気となっています。
コーヒーに含まれるカフェインは疲労感や眠気を抑制する効果もあり、リモートワーク勤務で仕事をしている方も多いので集中力が切れてしまう場合にコーヒーは最適です。
ハンドソープやウイルス対策グッズなどの衛生用品
今年は特に、手洗いが重要視されるのでハンドソープなど衛生用品の人気が高くなっており、毎日使う日用品やウイルス対策グッズの需要が高まっています。
何枚あっても困らない不織布マスクやあったらアルコール消毒、あったら嬉しい非接触型温度計のセットなどウイルス対策も留意したお中元がおすすめです。
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まとめ
コロナ時勢を踏まえた、新しい時代のお中元マナーについてご紹介しました。マナーの裏にあるのは、相手を思いやる気持ちです。自粛が求められるような状況ではありますが、人との繋がりを大切にしていきたいですよね。
平時と同様に、コロナ禍での対応もきちんと行うことで、その後の信頼関係を築き、ビジネスにおける良好な人間関係を守ることができます。
コロナ禍で直接ご挨拶が難しい状況だからこそ、郵送など活用しながら、お中元を通じて感謝を伝えましょう。
ルールや決まり、ポイントを周知した上で、お中元の送付が失礼になったり、相手先に迷惑になったり、かえってマイナスな効果を生み出すことがないように、この時期からお中元準備を始めてみてはいかがでしょうか。