2020/12/16
「フェイスシールドって苦しい?」オフィスで1日使って感じた5つの感想
接客業の人を中心に、感染対策として広く使われるようになったフェイスシールド。最近は日常的な着用だけでなく、「ムレない、苦しくない」等のメリットから工事現場等の作業でも使用するケースも増えてきているようです。
しかし、使用する人が増えたといっても、まだまだマスクと比較してマイナーなフェイスシールド。実際に使用したら、どのようなメリット&デメリットがあるのでしょうか?
そこで今回は、普段のオフィスワークにフェイスシールドを導入。実際に使ってみる中で、気付いた点をお伝えします。
※ 体験および検証は、密でなく風通しの良い屋内で、フェイスシールドのみを着用して行いました。実際にフェイスシールドを使用する場合は、マスクと併用するなど、状況にあった感染対策のもとでご活用ください。
目次
口元や表情が見えるので、コミュニケーションが円滑に
まず、フェイスシールドについて誰もが気になるであろう「声が籠らないの?」「吐いた息でシールドが曇ったり、呼吸が苦しくなったりしないの?」という疑問について。結論からお伝えすると、そのようなデメリットはほとんど感じませんでした。
声は通りやすく、普段から使っているマスクよりもコミュニケーションに苦労することはない印象です。口を動かしやすいことや、表情が相手にも見えているため、「コミュニケーションをしようとしている気持ち」が伝わりやすいのかもしれません。接客業でフェイスシールドが重宝されているのも納得です。
そして、マスクとは違って「常に鼻や頬に布があたっている状態ではない」ことが嬉しい人も多いのでは。普段からお化粧をする方にとっては、マスク裏面に肌が触れることで、化粧が崩れてしまう心配もありません。
他にも「伸びかけのヒゲがマスクにあたって鬱陶しい」といったストレスも回避できるだけでなく、肌の弱い人が悩む、マスクに寄る肌荒れ(=マスク荒れ)も軽減できるでしょう。
また、フェイスシールドで特徴的なのが、装着方式のバリエーション。帽子のように頭にかぶる「ゴムバンド型」、メガネのように耳と鼻でシールドを支える「グラス型」が代表的ですが、最近では丈夫な細いワイヤーによって頭に固定するタイプも。
装着する部分がコンパクトだったり、クリアパーツでできていたりするフェイスシールドもあるので、「目立つフェイスシールドはちょっと……」「髪型が崩れるのが嫌で……」という見た目がネックになっている人は、装着方法から導入するフェイスシールドを検討してみてはいかがでしょうか。
メガネと一緒に使うなら、デザインやサイズ感を事前に確認しよう
感染防止対策で日常的にマスクを装着するようになり、「吐いた息でメガネが曇ってしまう」ことに困っている人も多いのではないでしょうか。
この悩みはフェイスシールド導入によって解決できるのでは……と思っていたのですが、実際に使ってみるなかで想定外の問題が。今回の検証で使用したフェイスシールドでは、顔からフェイスシールドがとても近いことが原因で、メガネとの併用がとても難しいのです。
ゴムバンド型であれば無理をすればメガネも装着可能ではあるものの、頭のフィットする場所にフェイスシールドを装着することができないため、装着時に違和感が残ることに。グラス型のフェイスシールドの場合は、「メガネを2つ同時にかける」ことになるため、装着不可能なのは言わずもがな。
しかしながら、これは使用するフェイスシールドの形や装着方式に左右される場合も多いため、メガネをかけながらフェイスシールドを使いたい場合は、併用可能か、装着方式やサイズ感を事前にチェックするようにしましょう。
水分補給はストローの活用が便利
乾燥が気になるこれからの時期、フェイスシールドを装着しながらの水分補給はストローが便利。
マスクでもいちいち外す手間が必要でしたが、口の前までもが覆われているので、「コップやペットボトルに口をつける」といった動作が難しいフェイスシールド。水分補給のためにいちいちフェイスシールドを外したくないのであれば、ストローがあると良いでしょう。
同じように、「フェイスシールドの隙間に手を入れる」のが難しいのもちょっとしたお困りポイント。些細なことですが、「顔がちょっとかゆい」ときに対応が難しいのです。レアケースではあるものの、気になる人は「顔をかく用の綿棒」等を準備しておくと良いかもしれませんね。
また、フェイスシールドのサイズによっては、首を上下左右に動かしたときに、シールド部が胸や肩にあたってしまい、首の動きが制限される場合もあります。
パソコンに向かっての作業の場合は問題ないですが、接客中や軽作業中で大きく体を動かす場合は「フェイスシールドをケアした動き」が必要になるかもしれないので、覚えておきましょう。
こまめにクリーニングして、良好な視界をキープしよう
フェイスシールドを日常的に使用するうえで大切なのが、シールド部が汚れないようにするための工夫です。ウイルス対策の除菌ももちろんですが、長時間屋内で使用したあとは、空気中にただようホコリや、うっかり触ってしまったときの指紋などがシールド部に残っていました。外出時にも装着するのであれば、屋内以上の汚れをシールドがキャッチすることになります。
シールドが汚れているということは、そのぶん自分の視界が狭くなっている、ということ。使用時の違和感やストレスを軽減するためにも、定期的なシールドのクリーニングは必要不可欠です。シールドの素材によってクリーニング方法が異なっているので、商品にあわせた消毒をするようにしましょう。
そして普段からフェイスシールドを使用するのであれば、「保管方法」にも気を使いたいところ。
グラス型のフェイスシールドなどは、頭から外したままではかなりかさばる形になっているため、「その都度分解して、箱に収める」等の保管・収納の工夫が必要になる場合も。取り外したシールド部も、扱い方次第では別の汚れが付着してしまう恐れもあります。
他にも業務中に使用するためにたくさんフェイスシールドを購入した場合など、それぞれの使用状況に応じた適切な保管方法にも工夫が必要です。
「口元がオープン」であることで、コミュニケーションが楽になるかも
その特徴によって、マスクとは違ったメリットとデメリットがあるフェイスシールド。
その独特の形状から「慣れるまでに時間がかかりそう」という印象でしたが、装着時の違和感はしばらく使っていればほぼゼロに。なかでも筆者が特に嬉しかったのが、「発声がとても楽」というポイントでした。
マスク着用中は、ある程度は自由に動かせるとはいえ、どうしても「口が塞がれている」気持ちになってしまうことはありませんか? その結果、人と会話をしないといけない場面であっても、どうしてもモゴモゴと喋ってしまったり、そもそも「喋ること」自体が面倒に感じてしまったりする人も少なくないかと思います。
しかし、フェイスシールドは口元が常にフリー。マスク着用時に感じていたような「口を動かすことをおっくうに感じる」ことはほぼありませんでした。顔が見える特性も相まって、「マスクよりもコミュニケーション向きなグッズ」なのかもしれません。
そんなマスクとフェイスシールド、それぞれの特徴も考慮し、自社にあったやり方で導入方法を検討してみてくださいね。
フェイスシールドを使ってみて気付いた5つのこと
- 声がこもったり、息苦しくなることはない。
- 顔に布があたらないので、化粧崩れやヒゲがストレスにならない。
- 着用中の水分補給には、ストローが必要。
- シールドの汚れがストレスになるため、定期的な清掃は不可欠。
- 口元が開いていることで、コミュニケーションのハードルが下がるかも。
(文・編集=ノオト)