2023.04.10 公開

【アルコールチェッカーの仕組みとは?】 精度の違いや選び方を解説!

【アルコールチェッカーの仕組みとは?】精度の違いや選び方を解説!

アルコールチェッカーの仕組みとは

アルコールチェッカーとは息を吹きかけるだけで、体内の残留アルコール濃度を数値化する機器のことです。測定法には「血液採取」と「呼気採取」があり、業務用では呼気でアルコール値を測定する「呼気採取」が一般的です。

呼気中でアルコールを検知できる仕組みとは

摂取したアルコール量の約20%は胃から、残りは小腸上部から1~2時間程度でほぼすべて吸収されます。吸収されたアルコールは肝臓で分解され、分解しきれなかったアルコールは血液とともに全身をめぐり、再び肝臓に戻って分解されます。血中に入って肺をめぐったアルコールの一部が呼気として排出されるため、呼気中にもアルコールが含まれるのです。アルコールチェッカーに搭載されているアルコール感知センサーが、呼気に含まれたアルコールを測定します。

アルコールチェッカーの2つの感知センサー

アルコールチェッカーには、呼気中のアルコール濃度を判別する「センサー」が内蔵されており、大きくは「半導体式ガスセンサー」「電気化学式(燃料電池式)センサー」の2つに分けられます。両者の見た目は似ていても、アルコール濃度の測定原理にそれぞれ特性があります。

・半導体式ガスセンサー

センサー表面に付着する酸素量によって電気の抵抗値が変化する特性を利用したセンサーです。飲酒をしている場合はアルコール成分によって酸素量が減少するため、電気抵抗値が低くなります。電気抵抗値が低いほど体内のアルコール濃度が高いと判定されます。

・電気化学式(燃料電池式)センサー

呼気に含まれるアルコール成分を燃料として、電気が発生する特性を利用したセンサーです。飲酒をした場合、燃料となるアルコール成分によって電流が強くなり、電気の発生量が多くなります。この電気の発生量が多いほど、呼気中のアルコール濃度が高いことになります。

・半導体式ガスセンサーのメリット・デメリット

<メリット>
1.価格が安い
半導体式アルコールチェッカーはセンサーが比較的安価なため、多くの台数が必要な場合でも、導入コストを抑えることが可能です。

2.小型
センサー本体が小型なためアルコールチェッカーも小型になり、持ち運びがしやすい。個人での利用にもオススメです。

3.素早い応答性
測定に時間がかからず、検知結果を素早く確認できます。

<デメリット>
1.アルコール以外のガスにも反応することが多い
半導体式ガスセンサーは酸素量をもとにアルコール濃度を測定するため、呼気中のアルコールに近い成分に反応しやすく、アルコールを摂取していないにもかかわらず反応が出る場合もあります。

2.環境の影響を受けやすい
周囲の環境によっては呼気を吹き込んでいる際の酸素量が減少してしまい、正常な検知結果が出にくいこともあります。

・電気化学式(燃料電池式)センサーのメリット・デメリット

<メリット>
1.一般的に精度が高い
アルコール成分を燃料として電気を発生させるため、アルコール以外のガスへ反応しにくい特性があり、エタノール以外にはほぼ反応せず、より高精度の測定が可能。

2.高耐久
電気化学式(燃料電池式)アルコールチェッカーは半導体式と比較すると、経年劣化しにくい傾向です。しかし、アルコールの反応があると劣化が早まるため、何度も有反応を出していると精度が落ちてくる場合もあります。

3.外的影響を受けにくい
気圧や結露など環境の影響を受けにくく、食事・タバコ・薬などに影響されにくい。電気化学式センサーは密閉性が高いため、周囲の影響を受けにくい特性があります。

<デメリット>
1.価格が高いことが多い
製造コストが比較的高価なため検知器本体の価格も高くなる傾向です。

2.反応時間が長く、測定に時間がかかる
半導体式ガスセンサーと比較するとセンサーの反応時間が長く、検知結果が表示されるまでに時間がかかることがあります。

3.メンテナンスコストが高い
電気化学式センサーは製造コストが高いこともあり、定期的な検知器の校正やメンテナンスのコストも高くなる傾向があります。

・センサーによる精度の違いとは

電気化学式センサーは一般的に測定の精度が高いと言われます。タバコの煙や歯磨き粉などから発生するアルコール以外の成分には反応せず、アルコールのみに反応して測定できるためです。しかし、精度の良さだけでなく、自社の重視する条件全般に合わせて製品選びをすることが大切になってきます。

アルコールチェッカーの選び方のポイント

アルコールチェッカーを選ぶ時には、測定センサーだけではなく以下のような条件を加味して選ぶようにしましょう。

アルコールチェッカーの選び方のポイント

【タイプ】据置型か携行型か

特徴
据置型・持ち運びが難しいサイズ
・行き帰りに必ず事務所を出入りするドライバーの使用が多い
・管理者の前で測定するため不正を防げる
・業務用で選ばれることが多い
・ドライバーが多い事業所にオススメ
・携行型(モバイル型)より高価な商品が多い
携行型・持ち運びがしやすいサイズ
・いつでもどこでも検知が可能
・事務所に戻る回数が少ない遠距離ドライバーの使用が多い
・個人用にも使用されることが多い
・据置型としての利用も可能な機器もある
・据置型より安価な商品が多い

【測定方法】吹きかけ式かストロー式かマウスピース式か

特徴
吹きかけ式機器本体の吹き込み口に息を吹きかけて使用するタイプ
ストロー式ストローを差し込み、ストローをくわえて息を吹き込み使用するタイプ。吹きかけ式よりも周囲の空気の影響を受けにくく、息を逃しにくいため精度が高い。
マウスピース式機器専用のマウスピースを使用して息を吹き込むタイプ。ストロー式同様、吹きかけ式よりも周囲の空気の影響を受けにくく、息を逃しにくいため精度が高い。

【どのくらい使えるか】センサー寿命

アルコールが検出されやすい飲食物を摂取していないのに、測定するとアルコール濃度が検出されてしまう場合、アルコールチェッカーのセンサーの寿命かもしれません。アルコールセンサーには使用期限があり、機器の精度を維持するためにも、センサー寿命に達した製品は買い替えが必要になります。

【機能性】アルコールチェック以外の機能の有無

他にも以下のような付帯機能付きの製品もあります。

(例)
スマホアプリとの連携機能
機器自体に測定結果を保存する機能
夜間でも使用できるバックライト機能
電池の無駄遣いを防ぐオートパワーオフ機能

自社の重視するポイントにマッチした製品選びを

以上、アルコールチェッカーの仕組みや種類、そのメリット・デメリットなどについてお伝えしてきました。機器によってサイズ・精度・寿命・機能性などは多種多様なので、自社の重視するポイントを熟考の上、条件に合った製品を選びましょう。

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